より立体的な音響空間(Sound Bubble)を得るためには頭上設置のアトモススピーカー(ハイトスピーカーとも言う)は必須。「スピーカー構成」でも記載した通り、何よりも角度が重要。
まず、天井埋込スピーカーに関してネット上で専門家に頻繁に指摘される問題を以下の図で示してみた。LDKに設置する場合など、部屋をすっきりさせたいユーザーは埋込が多く、日本向けと言える。問題は角度を考慮しいるかで、図にすれば一目瞭然である。当然、右の図の方がAtmosの効果が大きい。最近は角度調整が出来る天井埋込スピーカーが増えているので、専門店やインストーラーに相談すると良い。
次の例は埋込ではなく、Atmos用小型スピーカーを壁掛けにして使用している。やはり角度が問題が2つあり、上の段は後ろから見た図、下の段は横から見た図である。それぞれ、左が悪い例、右が正しい角度になる。後ろから見るとTweeterの方向が視聴ポイントから左右に外れているのがわかる。横から見ると、前のAtmosとメインスピーカーの角度差が35°しかなく、これだと「上から来る音」の効果が殆ど無くなる。同時に後ろのAtmosとの角度差は、仮に同じような場所に設置した場合、110°となってしまう。その為、前上と後ろ上との「音の継続」が難しくなる。例で言うと、頭上を飛ぶヘリコプターの音が途中で切れてしまう。
せっかく3次元の音空間を構築するなら、やはり最適な角度に設置して「Sound Bubble」の「穴を塞ぐ」のが良いかと思う。ネット上の画像を見れば、読者も上記の説明に納得出来るはず。
実験中だがSVS社のAtmos専用スピーカーをモニターアームに固定出来た。これを新居で壁掛けにして角度を調整出来るようにする。調整範囲は限定的なので、アーム元の設置位置がやはり重要になる。